岐阜県多治見市金山町22-1FAX : 0572-21-2470 TEL : 0572-21-2460   
        HOME   取扱商品 会社概要    
機械加工工場に於ける浮上油の問題点 

・なぜ浮上油が発生するのか?

工作機械工場では一般的にスライド部分に専用の潤滑油(例えばスーパーマルチオイル)を

使用しスライド部の摩耗を防止しています。

使用する潤滑油はかなり多く、1台の工作機械に1週間あたり2〜3Lを消費しています。

1ヶ月当たりではおよそ10Lが必要です。


この潤滑油は機械の中を流れて、クーラントタンク内に落下します。

一部のメーカーでは油がタンク内に落ちないよう溝を作り、外部に排出する構造には

なっていますが、少し古い機械などは対策が取られていません。

また、リニアガイドを使用してグリス潤滑をしているケースもありますが、この場合はグリスが

混入することがあります。

タンクに落下した潤滑油は一部はクーラント液に混ざり溶けて一緒になってしまいますが

一定の濃度以上の飽和点に達すると、溶け込みができなくなりクーラント液上に浮上します。

浮上した油は液の表面を覆ってしまうため、クーラント液内に酸素を取り込めなくなり

バクテリアが多量に発生し、さらにひどくなると腐敗につながり、異臭を発生させます。

また、タンク内では切削で発生した微細な切粉とバクテリアが結びつき固まって強靭な

固形物となってしまいます。こうなると簡単には固形物を取ることは出来ず、チップコンベア

を外して、クーラント液を抜き取りスコップで剥ぎ取りをします。

1台でも労力は大変ですが機械の台数が数十台となると機械をとめて1日仕事となります。

・クーラント液を長持ちさせるには?

クーラント液表面に浮いた浮上油を適時取り去り、液の表面がクーラント液の白色、又は

緑色等に常になるようにすることが大事です。そのためには適時、浮上油回収装置、オイル

スキマーを使用して液表面の浮上油を取り除き奇麗にしておきます。

また、クーラント液内に混合している微細な切粉を適時取り除かないとワークに付着して

錆びを発生させることが有ります。 微細切粉をスラッジ回収装置で浮遊している切粉や

タンク底に堆積している切粉も取り除く事が必要となってきます。

クーラント液内の切粉、特に微細切粉と浮上油を取り除くことにより、クーラント液の腐敗が

ほとんど無くまた、バクテリアの発生が無いことが解っています。

小社のクーラント液自動自動供給希釈装置の例では大手金属加工会社において工作機械の

タンクのポンプ吸入口付近に1時間毎に5Lの新油を自動供給して刃先の冷却性を高め、

工具摩耗が20パーセント減少、原液削減40%の実例がありバクテリアも発生していません。

・クーラント液の濃度管理はなぜ必要?

クーラント液を使用する目的は、工具の刃先を冷却することにあります。

液の濃度は潤滑油メーカーから適正な濃度が示されていますがおよそ3〜10%です。。

時々は濃度計で適切な濃度であるか計測する必要が有ります。

実際問題として、液を使用中には液濃度はどんどん上がって行ってしまいますので、

水で希釈するのではなく、薄い液を作って全体を希釈、適正な濃度にしておく必要が有ります。

対策として、最初から指定濃度の30%〜50%薄くして作るとタンク内では丁度、指定された

濃度になっています。原液が節約でき、希釈して液の補充の必要がないので大助かりです。

適正な濃度で冷却性を高め刃先の摩耗を防ぎましょう。

クーラントタンク上に浮かぶスカムとは?

クーラント液の表面には油の他、微細な切粉、虫、泡、油の固形物などが浮いています。

機械の運転中にこれらの浮遊物、油が浮き、これらを取り除かないと段々と増えてきます。

浮遊物は浮上している油、泡と結びつき、水を取り込んで塊となります。

フロートを浮かべての浮遊物の吸引は比較的簡単に油と一緒に取り去ることが出来ますが、

分離装置内では塊となっているため簡単には外部へ流れ出て排出されません。

ゴミのように一塊になって排出口付近で流れを妨げているためで時々は手で取り除く

必要がありました。

小社の分離槽は構造が他社と大きく異なり分離槽全体が密封され油の排出口は

少し高い所にあるので油が一定量貯まるまで排出されません。

油の層が濃縮され厚くなってくると、空気の弱い圧力で油面が押し上げられて上昇

して、油排出口から始めて油が出てきます。つまり、濃縮され厚い油層が出来てから

外部へ排出されるので浮遊物などスカムは濃厚な油と一緒に外へ飛び出してきます。

・オイルミストに問題あり!

最近では、オイルミスト機を取り付けている工作機械を多く見かけますが、工作機械内では

高速で回転している工具、チャックなどでクーラント液が霧状となり、周囲に飛び散っている

例が有ります。 周囲で働くオペレーターがこれらのミストを吸引してしまいますので健康上

良く有りません。 また、ミストとなった液が工作機械周辺に飛びベタベタしている例も

多くあります。 滑って危険であり工作機械の周辺は常に清潔にして置くことが大事です。

・これらの問題点を解消するため周辺機器を用意しています。